ハッピークライシス

その瞬間。
頬を、冷たい何かが一筋落ちて、指先でそっと拭えば僅かに濡れた。

喉に詰まった苦しいものがせり上がり、逃げ縋るように傍にいた少女を思い切り抱きしめていた。

ギュッと目を瞑り、その首元に顔を埋めた。押さえようとすればするほど、身体が震えてしまうのだ。


少女は何も言わず、遠慮がちにユエの背に手を回した。


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