ハッピークライシス
「…とりあえず、アレイビア公国へ向かうか」
「何かあるの?」
「王室代々伝わる国宝、"イエローダイヤモンド"を見にいこうと思って」
「あの月みたいに綺麗なの?」
「ああ、きっと。とりあえずは手が届く」
シムカが驚いたように目を見開いた。
"相変わらずだ"とシホやシンシアがいたら言うだろう。そんなことを想像して笑ってしまう。
とりあえずは、さようならだ。
手はまだ届かない。
けれどいつか。
また、どんな形であれ出会うときはくるだろう。何しろ、ユエは巨大秘密結社から追われる立場となったのだ。