ハッピークライシス


頬を膨らましてみせる彼女には時折幼さが見え隠れする。
リサは、ユエの手を引いて奥の廊下へと引っ張る。機嫌を損ねるのもなんだとは思うし、政治家が収集するものについて少しだけ興味もあった。

―ガラクタばかり掴まされてたら、それはそれで笑えるな。


大階段を上がると、淡いランプに照らされた薄暗い廊下が続いていた。
シンと静まり返ったそこに、リサとユエの足音だけが響く。


「こちらです」


最奥にある、一層豪華な彫細工が施された大扉。
リサが、それをゆっくりと押し開けば、そこは夫婦の寝室だった。天蓋付のキングサイズのベッドが部屋の真ん中に置かれ、アンティーク家具で揃えられた部屋。

壁には絵画がいくつも飾られている。

彼女の話によると、フィリップ=フェデリコは骨董品や美術品を集めるのが趣味だという。話を持ちかけられては交渉に出かけ、気に入ったものを手に入れてくるらしい。

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