ハッピークライシス
「ああ、ロゼ様は、とても綺麗ね…。セックスするときでさえ、あなたはちっとも乱れないんだもの。私ばかり恥ずかしい」
「…そんなことないですよ。あなたを前に、余裕なんて少しもありません」
微笑んだユエに、リサがぎゅっと抱きつく。
「いっそ、連れ去って欲しいわ」
「ふふ、あなたは、僕をフィリップ氏に殺させようとでもお考えですか?おそらく、彼はあなただけにしか"この部屋の秘密"を教えていないはずです。充分愛されておいででしょう」
「知らない、そんなこと……、彼は醜い」
快楽に喘ぐリサは、涙をぼろぼろと零しながら髪を振り乱す。
化粧は剥げて、マスカラが黒い雨のように頬を伝う。押し倒したユエの首筋に思い切り噛み付き、アルコールで熱を持った彼女の身体が、自身の欲求のままに蠢いた。
ピリと、走った痛みにユエは思わず眉を寄せる。
―お前など、奪う価値もない。
最奥を突き上げた彼女の身体は、酷く痙攣してくったりとソファに倒れこんだ。