ハッピークライシス


「クリーンな政治を謳いながら、その実、奴らは現状裏社会を支配するマフィアに取って代わるという目的があったのさ。用意周到、少しずつこちら側にも根を張っている。法という法の抜け道を見つけてな」

「よくある話だ。だが、レヴェンならその根を切って灰にする力はあるはずだろう。何が不都合なんだ?」


グラスを一気に傾ける。
シンシアは苛立っているようだった。


「3ヶ月程前だったか。うちのファミリーのカポ(幹部)でロマッリオという男がひとり行方不明になった」

「…レヴェンのカポがか?」


名実共に優れた人間の中でも、レヴェンのカポになれるのはほんの一握りだけである。
大秘密結社のカポの失踪はその頃組織内でも重要事項として問題にあがったらしい。

人材と莫大な情報の喪失は、少数精鋭で上層部を纏めるレヴェンにとっては大きな痛手だ。

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