ハッピークライシス


取引場所は、今シンシアとユエが酒を飲んでいるヘイスラーホテル最上階フロアにあるロイヤルスイートルームだった。


エントランスと最上階のみを繋ぐ専用エレベーターに乗り、カードキーを差し込む。
一気に52階まで到達し、チンというベルの音がなりドアが開く。

豪華なエントランスホールで待っていた女が、会釈をする。長めにあしらわれたレースのデザイン袖のなかで、無骨な拳銃がしっかりと握られているのが見えた。


「…ご足労頂きありがとうございます、セオ=カルタ議員」


映像越しにシンシアは目を見開く。
彼女は、フィリップ=フェデリコの妻リサだ。どうやら、夫婦で共謀しているらしい。

セオが静かに彼女の後ろを歩く。


扉を3度ノックし、ゆっくりと開かれたそこには、真紅のベロア生地で出来たセクショナルソファに深く腰掛けたフィリップ=フェデリコが笑みを浮かべて待っていた。

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