ハッピークライシス
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部屋に戻ったのは、結局深夜0時を回る頃だった。
近くのバーレストランでワインボトルを二人で一本空け、美味しいと評判のムール貝をたっぷりと堪能した後、ドルチェを食べた。
アップルパイとティラミスで悩んでいたら、ユエが「じゃあ、半分こしよう」といって、二つ注文する。どちらもびっくりするほど美味しくて、思わず目を瞬けば、ユエはおかしそうにくつくつと笑った。
―ユエが優しい。
ふわふわと酔いが回ったまま、ぽすんとシホはベッドへと落ちた。
後から部屋に入ってきたユエが、シャツのボタンをひとつ外しながら同じくベッドに腰掛ける。
ぎしりと、ベッドのスプリングが軋む。