この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 「……どうして兄さま達は、そんなにも戦に(のぞ)もうとなされるのですか?
 兄さま達は次の会津藩を担う方がた。
 その方がたまでもが戦へ赴けば、これからの会津藩はどうなってしまうのですか……?」

 「―――ゆき!」



 私の問いかけを、兄さまは鋭い声で制した。
 厳しい瞳で私を見つめる。



 「それ以上申すな。武士(おとこ)が一度決めたことを、女がどうこう言うものではない。

 それに今は、会津藩が滅ぶかどうかの瀬戸際なんだ。
 二本松では俺より年若い者達も、戦場に出て立派に戦い、討ち死にしたんだぞ。

 それなのに、この国難に、我々だけ安穏としている訳にはいかんのだ」



 いつになく厳しい兄さまのお言葉。

 それが正論。


 叱られて、あわてて頭を下げた。



 「も、申し訳ございません……!差し出たことを申しました!………けれど」



 言葉を区切ると顔をあげ、せつない思いをまなざしに込めて兄さまを見つめる。



 「けれど 兄さま。ひとつだけ教えてください。
 兄さまはいったい、何を()って戦に(のぞ)もうとなされるのですか……?」


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