この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 俺達は少しの間だけ黙る。雄治は完全にふて腐れていた。

 雄治に話しかけても返事をしないので、悌次郎は俺に質問してきた。



 「なら出陣のとき、妹御は泣いただろう?……可哀相なことをしたな」

 「ああ……そうだな」



 ゆきの泣き顔が思い浮かぶ。

 ゆきの望む通りに、雄治の元へ向かわせたのは間違いだったか。

 やはり毅然とした態度で、恋などやめてしまえと厳しく諭せばよかったか。


 どちらが正しいかなんて、俺にはわからない。


 だが どちらの道をとっても、ゆきを泣かせていただろう。

 つらい思いをさせただろう。

 それなら少しでも、ゆきの笑顔が望めるほうを選びたかった。

 俺の願いは、ゆきが幸せでいてくれることだから。



 二度も注目を集めた俺達のところには、いつのまにか他の隊士達も集まっていた。

 その中にいた簗瀬(やなせ) 勝三郎(かつさぶろう)どのが言った。




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