この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 ―――ズキンと、胸が、痛んだ。


 (もしかして怒ってる……?)


 自分の中では、もう終わったことなのに。

 本当は忘れたいことなのに。

 ぶり返すように、私が目の前に現れたから。

 だから怒ってるのかもしれない。



 またもやうなだれる私を気づかって、さき子さまが代わりに説明して下さった。



 「おゆきちゃんはね、以前助けてもらったお方に、どうしてもお礼が言いたくて、足が悪いのにひとりで出かけてこられたのですって。
 けれどうちの近くで足を痛めて困ってたから、私と母上が手当てしてさしあげたの」

 「―――迷惑な話だ」



 利勝さまは、そっぽを向いたままでおっしゃる。



 ―――迷惑。会いにきたのは、迷惑?



 胸に突き刺さったその言葉は、 上へ上へと這っていき、私の目からみるみると涙を溢れさせた。


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