この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 私は顔を背けて、急いで涙を袖の(たもと)で拭う。


 ―――泣いてはダメ。すべて自分が悪いのだから。


 利勝さまが不快に思われるのは当然だわ。
 いきなり私なんかが自分の屋敷に現れて、しかも足が悪いのに自分を探し歩いたせいで傷を負っただなんて。

 押し付けがましいにもほどがある。

 これじゃあ何を言っても、迷惑がられるに決まってる……。



 「……私、帰ります」



 震える声でそう言うと、となりにいたさき子さまがあわてて引き止めた。



 「そんな!まだ来たばかりよ?雄治の言葉なんか気にしないで!
 あの子は女子(おなご)の気持ちもわからない子供なのよ!」


 「うるさい、姉上」



 利勝さまは不機嫌そうな眉間にさらに深くシワをよせて、姉君の言葉を遮る。



 「何言ってるの!あんたが泣かしたんでしょう!?」



 振り返って憤る姉君など、まったく気にも留めていないふうで、



 「……!あ!姉上!俺の饅頭、食っただろ!?」



 一瞬、こちらに目を向けた利勝さまが、私の手の中のお饅頭を認めて大声をあげた。


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