この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
「お前の住まいは どこだ!?」
少し高めの、でも はっきりとよく通る声。
「………は?」
こわごわ目を開けると、男の子は目の前で仁王立ちになって、早口でもう一度繰り返した。
「住まいはどこかと聞いておる!お前、迷子なんだろう!? 誰かとはぐれたのか!?」
そう言って、辺りを窺うそぶりをする。
なぜかその顔には、緊張した様子が見えて、しきりと周囲を気にしている。
驚きのあまり、私が答えられずにいると、
「早く言えよ!送ってやるって言ってんだ!!」
私の様子に苛立ちを覚えた男の子は、それを声に隠すことなく怒鳴った。
不安と怖さと心細さで、私は涙声になりながら、
「住まいは……新町三番丁、林 忠蔵の屋敷でございます……」
ようやく そう伝えた。
「新町三番丁の……林……?」
男の子は驚いたように低くつぶやくと、少し考えて、
「わかった。俺が送ってやる。黙って後についてこい」
言うが早いか、今来た道をもう早足で戻り始めている。
「えっ……、あの……?」
私があわてて腰を浮かすと、
「新町はあっちだ」
それだけ言って、歩も緩めずにさっさと行ってしまう。
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