この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
なんなの、この子?
案内してくれるのは ありがたいけど、なんでこんなに怒っているんでしょう?
兄さまと全然ちがう。この子、怖い。
………それでも。
私を迷子だと気づいて、声をかけてくれた。
もしかしたら、私の前を何度も通ったのも、私のことを気にして戻ってきてくれたのかもしれない。
でもそれなら、もっと優しく声をかけてくれたらいいのに。
あんな鬼のような形相で怒鳴りつけてきて。
夕日で顔が朱く染まっていたから、まるで赤鬼のようだったわ。
ほら、今だって。歩くのが早いから、あんなに離れてしまって。背中を見失ってしまいそう。
もっとゆっくり歩いてくれたらいいのに……。
そう思いながら、遠のく背中を見つめて、私はできるだけ急いで足を動かす。
(見失ってはダメ。今度こそ 本当に迷子よ!)
………でも。この足じゃ、追いつくことなんて 到底できなくて。
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