この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
男の子のおかげで、西の空の橙色が完全に山々に消え入る前に、私は何とか自宅へ戻ることができた。
門の前まで迷わず導いてくれたことに、正直 驚いたけど。
「あの……、うちをご存知だったのですか?」
そう尋ねると、男の子は言葉を発することなく、ただ 頷く。
やっぱり、この人は。
「もしや、八十治兄さまのご友人の方でしたか?それでしたらどうぞ、お上がり下さいませ!ぜひ お礼をしたいので……!」
けれども男の子は、私が言い終わらぬうちに首を横に振ってしまう。
「では、提灯をお持ちいたしますから……」
その言葉にも、首を振る。
何とか引き止めようとするけれど、男の子はもう帰ろうと歩き始めていた。
行ってしまう。
このままでは、何の手がかりもなく、お礼もできないまま、
終わってしまう。