この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
利勝さまのお屋敷に着くと、いきなり緊張しだした。
兄さまに背中を押されて、想いを伝えようと決心してここまで来たけれど。
でも いざとなると、どう声をかけたらいいものか。
玄関の前に立ちつくして、しばらく私は声をかけようかどうか迷った。
(どうしよう。勇気が出ない………)
とたんに気弱になって、やはり帰ろうかとくるりと踵を返す。
(でもでも、せっかく兄さまが応援してくださってるのに!)
そう思うと ギュッと目をつぶり、引き返そうとする足を踏ん張ってまた玄関へと向き直る。
意志の弱い私は、情けないことに玄関の前で行ったり来たりの行動を何度も繰り返した。
――――けれども そういう時に限って、利勝さまはご自分から現れてくださるのだ。
「……おい。さっきから、うちの前で何してんだよ」
背後からかけられたその声に、私の心臓が口から飛び出しそうになった。
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