この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 あわてて振り返る。


 いつのまにか近くにまで来ていた利勝さまが、玄関と庭を隔てた腰の高さくらいの柵の向こうから、呆れ顔で立っていた。


 素振りでもしていたのか稽古着姿で、腕組みした手に木刀を携えて、額には汗が浮いている。



 「とっ、とっ……利勝さまっ!!」



 心の準備ができていなかった私は、めいっぱいうろたえて顔中が熱くなる。



 「……まったく。どこの娘がうろうろしているのかと思ったら。
 姉上に用事か?呼んできてやろうか」



 そうおっしゃって木刀を肩に担ぎ直すと、柵をひょいと越えて玄関からさき子さまを呼ぼうとなさるので、それをあわてて引き止めた。



 「ちっちっ、違います!! ほっ本日は、利勝さまにご用があって参りました!」

 「俺に?」



 振り返った利勝さまが、訝しげなお顔をこちらに向ける。


 それだけでドキンとする。


 心を落ち着かせるため、目を閉じて 一度大きく深呼吸をした。



 「……俺に何の用だよ?」



 利勝さまは私に向き直り、いくらか眉根を寄せて訊いてくる。



 私はきつく握った拳を胸の前で合わせ、思いきって口を開いた。


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