この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
玄関にくると、兄さまはきつく草鞋の紐を縛る。
そうして見送りに出た私達を振り返ると、兄さまは清々しいお顔でおっしゃった。
「継母上。とうとう待ち望んだ日が参りました。
日頃学んだことを生かし、命を惜しまず全力で戦い、必ずやご恩に報います」
これを受けて母さまも、厳しいお顔をされて強く頷く。
「ご不在のお父上に代わり、私から申し伝えます。
お殿さまのために、命を捧げる時がやってまいりました。
日頃の教えをよく守り、けして生きて帰ろうなどという卑怯な振る舞いをしてはなりません。
そして家名を汚すような真似だけは、決していたしてはなりませんよ」
「はい!重々心得ております!」
兄さまが力強く頷き返すと、そんな兄さまを見つめ、母さまは厳しい瞳を和らげた。
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