この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 私を見つめる兄さまのお顔は、とてもとても穏やかで。
 まるで、すべての運命を受け入れるかのような、懐の深さを感じた。



 「継母上を頼むぞ。ゆき」

 「はい!心得ました」



 強く言われて、私も強く頷き返す。
 そして泣きたい気持ちを隠して微笑んだ。



 「……兄さま。私も。私もこの林の家に来られたことに、とてもとても感謝しているんです。

 兄さま……本当にありがとうございました。

 兄さまの妹にしていただけたこと。
 兄さまに優しくしてもらえたこと。

 兄さまと一緒に過ごせて、私は本当に幸せでした。

 どこにいても、ゆきはいつも兄さまのご武運を祈っております」


 「……妹、か」



 ぽつり、またつぶやくと、兄さまは口元にいつもの笑みを浮かべた。



 「俺も。お前と出会えてよかった」



 そうおっしゃって、笑う。



 「お前はいつも無茶をして、さんざん俺を振り回してくれたしな。(しま)いにはちょっとのことでは動じなくなった。

 母上を亡くした淋しさも、いつのまにやら消えてしまっていたし。

 今の俺があるのは、お前と継母上と、それから まつのおかげだ」


< 314 / 466 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop