この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 「……すごい騒ぎだな」



 その光景に、兄さまも眉をひそめる。

 それはこの城下に、敵が間近まで迫っている証拠だといえた。


 胸の不安が いっきに広まる。
 以前の初陣とは、明らかに違う。


 ご老公さまの護衛という話だったけど、今度こそ白虎隊も参戦しなければならないかもしれない。


 会津の危機は、もうすぐそこまで迫っているんだ。



 (――――行かなきゃ)



 いますぐ利勝さまに会いに行かなくちゃ。



 今 会わなかったら。もう二度と会えなくなる。

 言葉を交わせなくなる。



 (そんなの……そんなの絶対いや!! )



 どうしようもない焦燥感に駆られて、私は声をあげた。



 「あ……兄さま!私やっぱり……!!」



 言いかけた そのとき。



 声に振り向いた兄さまの向こう、

 外から誰かが、門に駆け込んでくる姿が目に映った。



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