この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜




 息が 詰まる。

 苦しいほど、胸を締めつけられて。

 その人の名を、兄さまと私は口にする。



 「雄治……」

 「利勝さま……!!」

 「よかった。間に合った」



 走り続けてきたのか、駆け込んできた利勝さまは、肩で息をつきながらニッと笑う。


 ――――来てくれた。


 利勝さま。……利勝さま!利勝さま!!


 どうしよう。

 笑顔を見せたいのに、泣いてしまいそう。


 兄さまが利勝さまを眺めて、指で指し示す。



 「雄治。お前、脚半(きゃはん)が片方ついてないぞ」



 言われて足元を見る。
 たしかに片方の(すね)には脚半がつけられていない。



 「ああ、急ぎ飛び出して来たから。母上が追いかけてきて渡してくれたんだった。今つける」



 利勝さまは手に持っていたもう片方の脚半を、屈み込んで脛に結びつける。



 「そんなに急いでまで、ゆきに会いに来たのか?」



 兄さまにそんなことを言われて、利勝さまのお顔も私の顔も、そろって赤くなった。


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