この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
兄さまも利勝さまに近づくと、まじまじと見つめておっしゃった。
「へえ……それがお前の話してた、草色の軍服か」
「ああ。山野を駆け回るなら、黒い軍服より草色のほうがいいだろうと思ってな。
敵の目を欺いて、いい働きができるように。
母上に頼んで、この日のために仕立ててもらったんだ」
そう、それは―――草色。
なるほどたしかに初陣の時とは違い、今回 利勝さまは、上衣だけ草色の軍服を着ていた。
他は兄さまとほぼ同じ。
腰に巻いた白木綿の帯も、額の白鉢巻きも鮮やかに輝き、下はダンぶくろではなく義経袴に脚半姿。
身体には大きすぎる大刀も、肩から革で下げている。
私には文句のつけようがない、利勝さまの凛々しい若武者姿。
………ふと、思う。
そういえば 利勝さまはいつも、草の匂いをまとっておられたっけ。
草木の中に潜むなら草色。
そんな発想をするところも利勝さまらしく思えて、不安に支配されていた心が、いつのまにか軽くなる。
不思議と私の口元に、自然な笑みが浮かんだ。
そのお姿を誇りに思い見つめ続けていると、兄さまのとなりにいた利勝さまが、私の目の前まで進み出てくださった。
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