この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 たった今、目の前におられるというのに、そんなことを言われて、つい首をかしげてしまう。



 「利勝さまをお探しに……?あの、おっしゃる意味がよくわからないのですが」



 ―――このあと私は痛感する。

 自分は、何という大馬鹿者だったのだろうと。

 私はいつもこんなふうに、相手の真意に気づけない。



 けれど利勝さまは、私の返答に苦笑されただけだった。



 「別に急がなくていい。この戦乱が終わってからでいいんだ。この草色の軍服が、俺を探すいい目印になる」



 そうおっしゃって、草色を指し示すように胸に手をあてる。
 そして後ろにいる兄さまを振り向くと、目配せして頷きあった。



 「俺と八十は以前から、戦場に出た時はつねに行動を共にしようと決めていた。
 負傷して戦うことが困難となったなら、刺し違える約束もしてる。
 だから俺を探せば、きっと隣に八十もいるはずだ」



 ―――それは つまり………。



 全身が 凍りついた。

 利勝さまが、何をおっしゃりたいのか。

 それが、ようやくわかって。



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