この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
――――最後だけは。
最後だけは、笑顔で送り出したかったのに。
私の笑顔を、そのお心に刻んでおいてほしいのに。
じわじわと近寄る大切な人の『死』を、受け入れたくなくて、涙が堪えきれない。
「………っ!利勝さまひどいです……っ!!
私…っ、最後は必ず笑顔で送り出したかったのに……!!
それなのに………!!
初めてされた頼みごとが、こんなつらいことなんてひどすぎます!!」
たまらず泣き言を言うと、利勝さまが私の両肩をやさしく包んでくれた。
「………すまない。だがどうしても、頼みを聞いてほしいんだ。
俺は急いで屋敷を飛び出してきたから、母上に形見になるものを何も渡してこられなかった。
だからこの戦乱が終わったら、俺を探して、遺品と共に伝えてほしい。
『雄治は立派に戦い、役目を果たした』と。
頼む。俺のもうひとつの願いを、お前に叶えてほしいんだ」
「いやですっ……!そんなの絶対嫌です!!」
両肩に触れる手を振り払おうと抗う。
そんな私を、利勝さまはご自分の胸に引き寄せてくださった。
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