この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
「理由はどうであれ、違反は違反だからな。明日は自分から言うか、それともお前達を見かけた誰かに報告されるか。
俺達の組にいなくとも、他の組に聞いて回れば、見つけることはそう難しいことじゃない」
平然と言ってのける兄さまに、私は衝撃を受けた。
(そんな……!私のせいで、利勝さまが罰せられるなんて……!! )
「兄さま……!どうしましょう……!私のせいで……!!」
利勝さまが………!!
みるみる私の目から、涙が溢れだす。
驚いて兄さまが目を見開いたのが、滲んだ視界の中からでもわかった。
「おいおい!大袈裟だな!罰って言ったって、そんなに重いもんでもないだろう!?
もし 俺の組の奴だったら、罰が軽くなるよう何とか とりなしてやるから!」
焦ったように兄さまはおっしゃって下さいましたが、私は 申し訳なさになかなか涙が止まらなくて。
自分のしたことが、どれだけ大事だったかを知って。
だから 兄さまが、
「利勝……?……まさかな……」
そう つぶやいたことにも、少しも気づきはしなかった。