この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
そんな俊彦は強く見据えたまま、俺の心を見透かすように言った。
「そうだ。俺は知ってる。お前とゆきどのは本当の兄妹じゃない。
永瀬や他のみんなは、あの娘の足が悪いこともあって、お前を過保護すぎる兄としか思ってなかったようだが、俺にはそう見えなかった。
お前は本当に、あの娘を慈しんでると思ったよ」
普段は穏やかで、あまり感情の高ぶりを見せない俊彦が、めずらしく心情をあらわにして顔を歪める。
「けど それが……。永瀬とあの娘がそんなふうになってるなんて。
相談してくれたなら、少しは力になれたかもしれないのに。
俺があそこから離れたのは、……つらい想いを抱えていただろうお前を見ていられなかっただけだ」
俊彦は苦々しい顔で言う。
打ち明けなかった俺を責めるように。
友として役に立てなかった自分が腹立たしくあるように。
――――己の想いを知られていたという衝撃は、ものすごいもんだ。
普段から冷静沈着と言われた俺が、かなり動揺していた。
それでもその場を取り繕おうと必死で笑いを漏らす。
「俊彦、考えすぎだ。俺はゆきをそんなふうに思ったことなんか一度もない。
お前が心配してくれるのはありがたいが、俺はふたりを祝福してた。
まあ、こんな状況になってしまったがな」
そう言ってはみたが、俊彦はただまっすぐに俺を見つめるだけ。
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