この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
ふいに 雷光が走った。
一瞬まわりが明るくなり、光に照らされた俊彦の顔が驚きに変わる。
何かの気配を感じ取ったのか、その表情に緊張が走った。
(……まさか 敵が!?)
瞬時にそう思った俺は、光の吸い込まれた闇のなか、すぐ辺りの気配に神経をめぐらす。
雷鳴と雨音が耳を打つなか、背後から近づく人の気配を感じて、とっさに肩から下げていた大刀を掴んだ。
俊彦は動かない。
ただ俺の背後の相手がどう出るのか、それをじっと窺っているようだ。
その様子から察するに、敵襲ではないらしい。
それでも用心して、いつでも抜刀できるよう鯉口を緩めてから、思いを決めて振り返る。
――――刹那。またまぶしい閃光に視界が阻まれた。
雷光が、目の前にいる真っ黒な人影を浮き彫りにする。
そしてまた光りが暗闇に吸い込まれてゆく直前に、その者の顔がはっきりと見えて、身体が硬直した。
続いて、そう遠くないところで雷鳴が轟く。
「……こんなことになってすまない……八十治。
だが……さっきの言葉は、きっとそいつには通用しないぞ……」
背を向ける形となった俺の後ろから、俊彦がつぶやく。
その言葉は雨以上に、俺の背中をヒヤリとさせた。
「―――俊彦の言う通りだ。八十」
「……雄治……!!」
目の前に立つ雄治は、その大きな目で俺を強く睨んでいた。
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